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2016年01月15日

第3話の4:タニヤに何で女子学生が?

(長い話です。その1からお読みください)

ダメ押しで大学の名前も聞いたが、はじめて聞く名前だった。有名大ではないらしい。だが大学は大学だ。

「ドリンクお代わりいいですか」

学生でも、要求はちゃっかりしている。

ドリンク1杯ごとにいくらとキックバックがあるから、貰えるものは貰おうというのだろう。商売熱心なのは、なかなか頼もしい。

お代わりOKと引き換えに、学生がなんでタニヤなんかで?と単刀直入に聞いてみた。

ラオスに近い、聞いたこともない田舎からバンコクに出てきて、大学に通っている。日本語も習っているので、学費を稼ぐために、ここで日本人相手のアルバイトをしていると話してくれた。

なーるほど、日本語の実地練習をしてお金が貰えるんだから、なかなかおいしいアルバイトではないか。

日本語のノートをあとで見せてくれたが、日本語とタイ語がびっしりと書き込まれたノートは、可愛い顔に似合わず、なかなかの努力家であることを物語っていた。

だがこれだけ可愛いと、それに比例して日本スケベオヤジの攻撃も激しいだろう。まだうまくあしらえる歳にもなってないし、苦労しているのではないか。

距離を置いているのは、慣れていないというよりも、警戒心が態度に出ているのかもしれない。


この店はカラオケをずっと歌うのではなく、飲みながら女の子と話をするのが主体で、会話が途絶えたときにカラオケをするようになっているようだ。

近くの席の若い男は、何を話しているのか、ずっとヒソヒソ話をやっていたが、会話が途絶えたらしく、女の子が席に座ったままカラオケをやりだした。奥の大きなスクリーンに映像が写る。

歌は日本の歌だった。カラオケの歌詞は、日本語とローマ字併記だ。

知らない歌だったが、聞いているうちに感心した。女の子一人で歌っているのだが、声だけ聞けば、日本人女性が歌っているようにしか聞こえない、完璧な発音とイントネーションなのだ。

さすがはタニヤ女性だ。あなどれないな。

横顔を見ると、落ち着いた人妻風の女性だった。タニヤでかなりの年季をつんで、日本のカラオケを練習してきたのだろう。プロの根性を見た思いがした。


ためしにマリに「すばる」を歌わせてみた。この歌はタイでも有名なので、タイ人なら誰でも知っているはずだ。

すると自信がないのか、一緒に歌おうという。ここがベテランとアルバイトの違いか。

ソファに座ったまま、一本のマイクに顔を寄せて、歌った。

マリの日本語の発音はまだぎこちない。「悲しくて」が「かなちくて」になっている。かわいい。


続く


タグ:カラオケ

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2016年01月19日

第3話の5:タニヤでリベンジを決意する

(長い話です。その1からお読みください)

「すばる」を歌うマリの横顔を見ると、必死にスクリーンの歌詞を追いかける真剣な目だ。きっと大学で授業を受けているときもこんな目なのだろう。

歌い終わるのを待っていたかのように、飲み放題の終了時間が来たと、ママが言いにきた。

「エンチョーしますか」

延長しますかと言われても、こんな水のように薄い水割りでは、延長する気にならない。

それにこの店は連れ出しができるのかどうかも説明がなかったし、マリは学生アルバイトだし、連れ出しの雰囲気はどこにもない。

タニヤには連れ出しのできない店があると聞いたことがあるので、ここがその店なのかもしれない。

あきらめて勘定を頼んだ。

ヒソヒソ話のカップルはあの後どうなったのか、いつの間にかいなくなっていた。

席で支払いを済ますと、マリが出口まで見送ってくれた。

入るときには死角になっていて気づかなかったが、途中にカラオケ操作係のブースがあった。

中に座っているのは若い男だ。カラオケの曲の注文をさばいていたのは、彼だったのだ。カラオケ店でもこれだけ大きいと、ゴーゴーバー並に音楽専用の係が必要らしい。


マリがバイバイしてくれて店を出ると、すぐ目の前がエレベーターだ。

帰りは当然、誰も案内してくれない。

一人で鉄の箱に入ってゴットンゴットン落ちても、面白くもなんともないので、階段を降りることにする。各階の様子を見物して行こう。

どの回も、マリの店と似たような、落ち着いた雰囲気だ。タニヤ仕様とでもいうのだろう。

ビルを出ると、路上にたむろしている呼び込みの中から、さっき私を捕まえたおばさんが

「どうだった?」

声をかけてくる。

「まあまあ」

適当に受け流すが、呼び込み連中と一緒に、私にはわからないタイ語で何やらはやし立てる。きっと、

「いい子いなかったのかい」

とでも言ってるのだろう。

日本風の上品なタニヤにただよう、こういうタイ風の下卑た雰囲気もまたいいものだ。


タニヤ通りの入り口にある高架電車のサラデーン駅まで歩きながら、今日の成果を反すうしてみた。

あのピチピチした学生は、いい掘り出し物をした。今日はまだ初回で、とてもそこまでは行かなかったが、つながりはつけたから、何とかして若鮎の味を賞味したいものだ。

失敗は、飲み放題の酒だ。知らずに、あの水のように薄い水割りを選んでしまった。

ビールもあると言ってたから、次はビールにしよう。まさかビールを水増しはしないだろうから。

よーし、あしたはリベンジだ。


続く
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2016年01月27日

第3話の6:タニヤの若鮎を釣る

(長い話です。その1からお読みください)

そうやって迎えた翌日はリベンジの日だ。

タニヤの通りを脇目もふらず突き進み、マリの店を目指す。

ビルの前で今日もたむろする客引きを無視して、一人でエレベーターに乗り込む。

店に入りマリを指名すると、奥からマリを連れてきて、

「この子ですか」

と聞く。

名前だけでは信用してもらえず、首実検をさせられるのは、女の子の名前を間違える客がいるからだろう。

同じビルの中は似たような店ばかりなので、店を間違えて来る客もいるに違いない。


今日の飲み放題は、当然ビールを注文する。

大きめのグラスでやって来たビールは、ごく普通の味のビールだ。水割りビールではない。

よーし、きのうの分も飲んでやるぞ!

ビールをグイグイ飲んで、グイグイお代わりする。

いい気分になったところで、今日の本題を切り出す。

「ここは連れ出しできるの」

「できます。でもどこ行きますか」

なんだ、できたのか。きのうはそんなことおくびにも出さなかったが。

それとも一見さんには冷たいが、裏を返せばまともな客扱いをしてくれるのか?

だが最後の一言が気になるな。まだ警戒してるな。

「ホテル」なんていったら、「ダメです」といわれそうだ。

まあ本職ではないのだから、当然といえば当然か。

「ごはん食べに行こう。終わったら、また店に戻ればいいし」

遠回しに、ヘンなことはしないと匂わせる。

「日本語も教えてあげるよ」

「日本語」のエサがきいたのか、マリはしばらく考えて、

「ごはんだけですね」

よーし、釣った。

飲み放題の制限時間はまだたっぷり残っていたが、善は急げだ。

マリを連れ出すことを告げて、勘定を頼む。

飲み代にマリの連れ出し料が追加された額を支払う。

一緒に外に出ると、客引き連中が一斉にこっちを見る。

(今日は二人連れだから、激しく冷やかされるか?)

うわーっと、思わず身構える。


続く
タグ:若鮎 タニヤ

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