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2016年01月19日

第3話の5:タニヤでリベンジを決意する

(長い話です。その1からお読みください)

「すばる」を歌うマリの横顔を見ると、必死にスクリーンの歌詞を追いかける真剣な目だ。きっと大学で授業を受けているときもこんな目なのだろう。

歌い終わるのを待っていたかのように、飲み放題の終了時間が来たと、ママが言いにきた。

「エンチョーしますか」

延長しますかと言われても、こんな水のように薄い水割りでは、延長する気にならない。

それにこの店は連れ出しができるのかどうかも説明がなかったし、マリは学生アルバイトだし、連れ出しの雰囲気はどこにもない。

タニヤには連れ出しのできない店があると聞いたことがあるので、ここがその店なのかもしれない。

あきらめて勘定を頼んだ。

ヒソヒソ話のカップルはあの後どうなったのか、いつの間にかいなくなっていた。

席で支払いを済ますと、マリが出口まで見送ってくれた。

入るときには死角になっていて気づかなかったが、途中にカラオケ操作係のブースがあった。

中に座っているのは若い男だ。カラオケの曲の注文をさばいていたのは、彼だったのだ。カラオケ店でもこれだけ大きいと、ゴーゴーバー並に音楽専用の係が必要らしい。


マリがバイバイしてくれて店を出ると、すぐ目の前がエレベーターだ。

帰りは当然、誰も案内してくれない。

一人で鉄の箱に入ってゴットンゴットン落ちても、面白くもなんともないので、階段を降りることにする。各階の様子を見物して行こう。

どの回も、マリの店と似たような、落ち着いた雰囲気だ。タニヤ仕様とでもいうのだろう。

ビルを出ると、路上にたむろしている呼び込みの中から、さっき私を捕まえたおばさんが

「どうだった?」

声をかけてくる。

「まあまあ」

適当に受け流すが、呼び込み連中と一緒に、私にはわからないタイ語で何やらはやし立てる。きっと、

「いい子いなかったのかい」

とでも言ってるのだろう。

日本風の上品なタニヤにただよう、こういうタイ風の下卑た雰囲気もまたいいものだ。


タニヤ通りの入り口にある高架電車のサラデーン駅まで歩きながら、今日の成果を反すうしてみた。

あのピチピチした学生は、いい掘り出し物をした。今日はまだ初回で、とてもそこまでは行かなかったが、つながりはつけたから、何とかして若鮎の味を賞味したいものだ。

失敗は、飲み放題の酒だ。知らずに、あの水のように薄い水割りを選んでしまった。

ビールもあると言ってたから、次はビールにしよう。まさかビールを水増しはしないだろうから。

よーし、あしたはリベンジだ。


続く



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