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2015年09月04日

第1話の7:これから私をどうするの

(長い話です。その1からお読みください)

ノイに

「どこに行くの?」

とゲタをあずけられ、結局内心とは裏腹に、

「まずご飯食べようか」

と提案した。ノイは軽い夕食しか食べてないと言ってたので。

「そうね、何たべる?タイ?ジャパニーズ?」

タイくんだりまで来て、何が悲しくて日本料理を食べなきゃいかんのだ。もちろんタイ料理だ。


冷房がギンギンにきいていた店内では感じなかったが、外は、ねっとりとよどんだ熱気がモワッとまとわりついてくる。これが南国の夜だ。

ノイはしきりに

「アツイ、アツイ」

とつぶやく。かなりの暑がり屋さんらしい。

暑さのせいか、さっきまでの工口トークは影をひそめ、すっかり大人しくなっている。全然違う人格になったかのようだ。

やはりあれは仕事場だけの営業トークだったのか。


ソイカの細い通りを出ると、大きな通りがあり、タクシーが連なって客待ちしている。

すぐに運ちゃんが寄ってきて、「タクシー?」と声をかけてきた。

ノイがタイ語でなにやら交渉している。

タイのタクシーは、運転手の気分で簡単に乗車拒否するので、乗る前にお伺いを立てる必要があるのだ。

交渉成立して、タクシーに乗り込んだ。タイレストランに行くという。

車内はひんやりと冷房がきいていて、ノイも人ごごちを取り戻したかのようだ。

走りだすとすぐに、暗がりの中で、ノイの方から私の腿に手を置いてくる。

やわらかい手を握り返し、そっと持ち上げて、運ちゃんに見えないように、細い指先にそっと口を寄せた。

タクシーは夜のバンコクのだだっ広い道路を疾走している。昼間の暑苦しい渋滞がウソのようだ。

着いたところは、生演奏付きのレストランだった。

噴水の見える屋外のテーブルに向かい合わせに座って、よくよく見ると、やはりごく控えめな普通の娘さんだ。

さっきまでの、きわどいトークでノリノリのゴーゴー娘は、真夏の夜の夢だったのか。でもかわいい顔は、店内と同じだ。


その顔で、メニューの写真を私に見せながら、

「何がいい?アナタ辛い料理OK?」

「少し位ならね」

こっちはそんなに腹も空いてないし、ノイの好きに注文してもらう。飲み物はビールを頼む。

タイ料理は、中華料理と同様、皿をいくつか取って分けあい、白飯と共に食べるスタイルだ。

味は、口が刺すように辛いのもあるし、辛くないのもある。

箸が置いてあるところでは箸で食べてもいいし、タイ人のようにフォークとスプーンで食べてもいい。


料理が来るまでの間、アルコール度の強いタイビールを飲みながら、話をした。


続く
(ノイとなかなか結ばれませんが、もう少しかかります。何事も手順が必要なので)



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posted by 河道 at 11:49 | Comment(0) | 第1話:短髪ノイの白い桃 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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